治療内容
更年期の体調不良について

女性は7の倍数の年齢で身体が大きく変化する...。
約2,500年前に書かれた鍼灸のバイブル「黄帝内経」にはこういう記載があります。


42歳:上半身の三陽の経脈が衰え、顔がやつれ、髪が白くなり始める。
49歳:任脈が虚し、太衝脈が衰え、生殖エネルギーが減り、閉経して体型も崩れ、子供が産めなくなる。


更年期の体調不良について

更年期とは、女性の場合、閉経をはさんだ前後10年間をいいます。
西洋医学では、更年期を身体の一生のサイクルの中でも重要な変化の時期としてとらえていますが、更年期の各症状に対する基本的なスタンスは、西洋医学とは大きく異なります。


鍼灸は更年期の体調不良にとても効果があります。
そう言えるのは、東洋医学や鍼灸のスタンスが、女性の変化する身体に優しいからです。
つまり、この時期に起こるさまざまな症状に対して、東洋医学は無理に抑え込もうとしません。
なぜ、その不調が起こっているのか、身体の声を聞きながら、崩れかけている身体のバランスを元に戻し、調和を取りつつ、身体自身が自力でうまく変化の波に乗っていけるようにお手伝いするのです。

このような症状でお悩みの方へ

更年期。
以下のような身体の不調がありませんか?

・全身症状: ほてり・のぼせ・動悸・多汗(ホットフラッシュ)・めまい・頭痛・耳鳴り・むくみ・冷え
・運動器官の症状:肩こり・腰痛・五十肩・手足のしびれ
・精神的な症状:イライラ・不安・うつ・不眠・倦怠感・意欲減退
・生殖器系の症状:月経異常・不正出血
・消化器系の症状:吐き気・嘔吐・食欲不振


東洋医学で更年期の各症状を改善する場合、自然治癒力を最大限に利用します。
自然治癒力は誰にでも本来的に備わっている力。
この力が回復するよう、全身のバランスを取りながら治療していきますので、いつのまにか症状が解消され、治療後は身体全体が前よりもスッキリした、というような実感を持たれる方が多くいらっしゃいます。
身体に負担なく、かつ治療後はダメージを残さないので、東洋医学は更年期の症状に対して、優位な治療法といえます。

原因は?-東洋医学の考え

ここでは、身体のあちこちに更年期症状が現れる原因、そのメカニズムを東洋医学の考え方からご説明します。


東洋医学では、まず第一に腎に弱り=腎虚を考えます。


腎虚=下半身の弱りが全身に及ぼす影響が更年期の各症状の原因に

腎の弱った状態を腎虚といいます。
東洋医学の腎は西洋医学の腎臓よりも幅広い意味で使います。
わかりやすく、ひとくちに言うと、腎虚は”下半身“の弱りです。
腎は生命力の根本=<腎精>を貯蔵しています。これが年齢とともに徐々に弱ってくるのです。
「腎は腰の腑」と言われ、主に下半身をコントロールしています。
“腰の曲がったお婆さん”をイメージされるとわかりやすいかもしれませんが、加齢による弱りは、まず下半身に現れやすいということになります。


上実下虚=身体の凸凹状態に要注意!!

下半身が弱ってくると、相対的に上半身の働きが過剰になります。これが、<上実下虚>という現象です。


・上半身の症状

頭痛・めまい・ふらつき・耳鳴り・上半身の多汗・肩こり(五十肩を含む)・上肢、肩関節の痛み・こわばり・顔面のむくみ・目の周りの腫れ・充血・鼻炎・口内炎・喉痛・動悸・不整脈・イライラ・不安・パニックなどの精神症状・不眠・むかつき・吐き気・嘔吐・食欲不振など

・下半身の症状

腰痛・股関節痛・膝痛・足のむくみ・下肢の静脈瘤・月経異常・排便・排尿障害・糞尿の異常など


これらの症状は大雑把な分類です。
上記症状すべて<上実下虚>にあたるというわけではありません。身体が<上実下虚>の状態になると、上記の症状が起こりやすくなるということです。


<上実下虚>以外でも、更年期の各症状の原因となる要素はありますが、それには個人差があり、また他の疾患と複雑に関係している場合もありますので、安易に決めつけることは危険です。より正確な判断と決定には、専門家による東洋医学的な診察が必要ですのでご注意ください。


腎と他の四蔵が互いに影響し合い、五臓のバランスが崩れ始めるのも更年期の特徴!!
腎虚=肝、心、脾、肺への影響
腎と四蔵の関係

腎が弱ってくると、他の四蔵に影響を及ぼします。
そうすると、腎だけでなく、五臓全体のバランスが崩れ、四蔵の機能が亢進したり、逆に弱ってきたりします。


肝の<気>が高ぶる:イライラ・怒りっぽい・頭痛・肩こり・その他上半身の不調
肝の<血>が弱くなる:月経異常・目がかすむ・筋肉のひきつり
脾の<気>が弱まる:食欲不振・下痢・便秘・倦怠
肺の<気>が弱まる:風邪・呼吸障害・息切れ・皮膚炎
心の<気>が高まる:不整脈・狭心症・不眠
心の<血>が弱まる:不眠・不安・焦燥・健忘


肝、心、脾、肺=腎への影響

逆に、四蔵の機能が何らかの理由で失調すると、それがまた腎の働きに影響を与えてしまうことになります。

更年期の症状を鍼灸で改善する方法とは?

更年期の体調不良を鍼灸で改善する方法として、当院では、東洋医学の伝統的治療に基ついて、まず、五臓のバランスがどのように崩れているかをチェックします。
そして大元の原因となる臓器の機能失調を回復させ、最終的に五臓のバランスを取り戻し、腎の働きを正常な形に戻していけるように、治療方針を立てます。
そのために、

・患者さんへの丁寧なカウンセリング
・お一人おひとりの個人差を配慮し、最適な施術法を選択
最短コースで症状を改善
していくことを目指しています。


鍼灸ではどうやるの?

鍼灸での改善方法 具体的には...
(1)補腎(滋陰)…弱った腎を補うような治療をします。
(2)肝・心・脾・肺のバランスを腎を意識しながら立て直します。
(3)生活習慣を改善する養生指導(運動不足、食事内容の改善指導)を通して、患者さんに、無理なく自分でできるアンチエイジングをアドバイス。本当の意味でいつまでも若い身体を維持できるようお手伝いします。


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