治療内容
不妊治療について

近年、赤ちゃんがほしいけれども、なかなか恵まれず悩まれてる方が増えています。
医学が進歩したことにより、不妊の原因疾患の治療法や高度生殖医療の技術も向上し、そのおかげで妊娠・出産に至る方も増えてきました。しかし、一方治療を受けながらもなかなか子宝に恵まれない方も少なくありません。


不妊治療をお考えの方

そんな方は、もしかしたら子宝に恵まれる為の身体の準備が整っていない可能性を考えてみてもいいかもしれません。
仕事の疲れや不妊治療のストレス、これらは身体のバランスを乱し、卵巣や子宮の働きを低下させる原因になります。


鍼灸は身体作りのお手伝いをします。
当院では「子宝」を願う皆様の力になれるよう現代医学と東洋医学の両方のよい所を取り入れながら治療にあたっています。
また、ストレスや不安を抱えている方も多くいらっしゃいます。その為のカウンセリングには力を入れ、しっかりとお話をお伺いできるように治療は患者さん一人ひとり時間をお取りしています。
当院で一度自分の心と身体に向かい合ってみませんか?
不妊治療における鍼灸治療の役割

治療の段階はありますが、一般的に西洋医学での不妊治療においてはホルモン剤を使う事で月経を整え、良質の卵子をつくり、妊娠を維持することは主流です。
鍼灸治療では、鍼灸の刺激により自らの力でホルモン分泌を調整して月経を整えることで妊娠する力を高めます。


(1)ホルモンバランスを調節する

卵胞の成長を助けE2(エストロゲン)の分泌を促し、卵子の発育・内膜の肥厚を助けます。 また、卵胞の発育を助けることで排卵後のP4(プロゲステロン)の分泌も手助けします。その結果基礎体温が整い、低温層と高温層の2層をしっかり作ります。


(2)排卵を促す

卵排卵障害の場合、排卵期に治療を施すことにより排卵を促します。


(3)内膜の再生を促す

内膜が厚いのに生理の出血が少ない場合には、内膜がうまく剥がれずに古くてかたい内膜になっている可能性があります。 内膜が固いと着床しにくくなるため、生理期に治療をすることで内膜をしっかり落とす手助けをします。

       

どの治療段階においてもホルモン剤による治療による併用することが可能です。一度御相談ください。

男性不妊について

かって不妊治療は女性の問題として扱われることがほとんどでしたが、今では原因の40%が女性・40%が男性・両方に原因がある場合が20%と言われています。 男性側の問題として、
(1)精子の問題:数・運動率・奇形率・正常形態率などの問題
(2)精索静脈瘤:陰嚢の静脈の拡張怒張により造精機能低下
(3)ED(勃起不全)
などの原因が挙げられています。
しかし精子の問題にしても明らかな原因が見つからない問題もあります。
鍼灸では原因不明な場合においても、体質に対する治療を行うことで精子の質の改善を目指します。

東洋医学からみた不妊治療

鍼灸治療では、五臓の働きを整えることにより、妊娠しやすい身体に整えていきます。
五臓についての詳しい説明は「東洋医学とは」をご覧ください。


五臓の中でも関係の深いものは肝・脾・腎です。
例えば、の働きが乱れると、血液の巡りが悪くなって卵巣や子宮へ十分な酸素や栄養が行かずに働きが低下したり冷えにつながります。
の働きが乱れると、消化吸収の働きが落ち、卵巣や子宮にしっかり栄養や酸素を届けることが出来なくなり、働きが低下してしまいます。
は生殖機能そのものを担っています。つまり、腎の働きが低下しているということは、卵巣や子宮の働きや分泌機能が低下しているという事でもあるのです。
このように、3つの臓器のバランスが乱れることで妊娠する力が低下してしまいます。鍼灸では、この3つの臓器を中心に身体のバランスを整えることで妊娠する力を高めます。

体質別と治療方法

ここでは、不妊の方によく見られる体質をご紹介します。


腎虚(じんきょ)タイプ「卵巣機能失調型」

先天的問題やストレス・疲労などにより、下垂体や卵巣機能が失調し、ホルモン分泌のバランスが崩れてしまった状態です。
ホルモン分泌が崩れ、卵胞や卵子の発育が不足となり、低温期のエストロゲン分泌が低下することで子宮内膜が薄い・スムーズに排卵しない・黄体機能不全のため高温期の温度が上がらない・生理血の色が淡いなどの症状が現れます。


気血両虚(きけつりょうきょ)タイプ「元気不足・貧血傾向型」

疲労・ストレス・胃腸虚弱等により気血が不足した状態です。
この状態が長く続くと、子宮に行く血液量が減り、生理周期がながくなる・生理の出血量が少ない・血の色が淡い・貧血やめまい、などの症状が現れます。


気滞(きたい)タイプ「ストレス型」

主にストレスが原因です。ストレスにより気が滞り(気滞)、めぐりが悪くなった状態です。
この状態になると、気とともに血も滞り(瘀血)、新鮮な血液が身体を巡らなくなって基礎体温の上下動も大きくなります。
脳下垂体のホルモンバランスが乱れてこうプロラクチン血症や排卵障害が起こることもあります。その他、イライラ・怒りっぽい・乳房が張って痛い・腹部が張る、等の月経前症状が起こりやすくなります。


瘀血(おけつ)タイプ「血液停滞型」

ストレスや気血の不足により、気血の循環が悪くなった状態(瘀血)です。
この状態になると、生理の血液の塊が混じります。生理痛も生じやすくなり、生理血の色が暗い・眼の下にクマができやすい・色素沈着、などの症状が出てきます。これは血液循環が悪くなっている信号です。
特に骨盤内の血液循環の滞りにより下腹部や足の冷えが起こることもあります。子宮筋腫・卵巣嚢腫・卵管障害や着床障害などによく見られるタイプです。


湿痰(しつたん)タイプ「水分停滞型」

飲みすぎや食べ過ぎ、脾の不調、冷え等が原因で身体の水分代謝が乱れ、排出されるべき水分が滞り、停滞している状態です。
湿痰は瘀血と同様に滞る性質があるので、排卵の邪魔をしてしまいます。
多嚢胞卵巣症候群・卵巣嚢腫などの方によく見られるタイプです。
色白で水太り体型に多く、身体のむくみ・下痢・軟便・身体がだるい・おりものが多い等の症状が見られます。


5つのタイプをあげましたが、必ずしも1つのタイプだけが現れるというわけではなく、腎虚タイプがベースとなっていくつかのタイプが重なっている方も多くみられます。

月経周期療法
月経周期療法

周期療法とは女性本来の生理周期のリズムを優しく整えることで、しっかりとした卵を作り、排卵を促し、受精卵をしっかり受け止め、妊娠を継続する力を高めてくれる治療法です。
この周期療法は北京中医薬大学の夏桂成先生が確立された理論で、1960年代に北京の西洋医から紹介された月経周期における基礎体温のリズムと共通していることに着目して生まれたものです。
低温期に分泌されるプロゲステロンのそれぞれの変化を陰陽の変化と重ね合わせています。
体質別の治療に周期療法を併用することでより治療効果を上げることが出来ます。

不妊治療Q&A
Q.生理中でも治療してよいでしょうか?

A.大丈夫です。生理中は不要になった内膜の厚さに問題がないにも関わらず、生理の出血が少ない方は、内膜がうまく剥がれずに、古くて固い内膜になっている可能性があります。
固い内膜は着床しにくくなるため、生理期の治療で血の巡りを促し、不要になった内膜の排出を促します。


Q.治療間隔はどのくらいですか?

A.当院では、週に1~2回の来院をお勧めしています。
ですが、状態によっては低温期の集中治療をお勧めしています。
低温期は内膜の厚さや卵胞・卵子の発育に影響を与える時期だからです。
中国の中医師や日本の治療家の中には、低温期のみ治療を行う方もいらっしゃる程です。
しかし、身体の調整には一般的に最低3か月は必要であり、その場合は低温期の高温期の治療が必要です。特に月経前症状・冷え性・高温期の温度が低い・等の症状がある場合は高温期の治療は外せません。


Q.西洋医学との併用はできるか?

A.出来ます。タイミング療法・人工授精・体外受精・妊娠後の安胎治療等、その状態に応じた鍼灸治療があります。
お気軽にお尋ねください。


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